ギター初心者の最初の1曲はどう選ぶ?簡単な練習曲の見分け方
ギター初心者が最初に練習する曲の選び方を解説。エレキの短いリフとコード伴奏に分けて、本当に弾きやすい曲の条件、具体例、難しい好きな曲を簡単にする方法を紹介します。

「ギターを始めたら、最初にどの曲を練習すればよいのだろう」
初心者向けの曲を探すと、何十曲ものおすすめが見つかります。しかし、簡単だと紹介されている曲を弾いてみても、コードが押さえられなかったり、原曲の速さについていけなかったりすることがあります。
結論からいうと、最初の練習曲は、曲全体の簡単さよりも、自分が好きな5〜15秒を簡単な形で弾けるかどうかで選ぶのがおすすめです。
一曲を最初から最後まで弾く必要はありません。エレキギターなら印象的な短いリフ、アコースティックギターならサビのコード伴奏など、最初に担当する範囲を小さくすれば、好きな曲から始められます。
この記事では、完全未経験者を基準に、本当に弾きやすい曲の見分け方と、好きな曲を最初の練習曲へ変える方法を紹介します。
結論:簡単な曲より「好きな曲の簡単な部分」を選ぼう
初心者向けとされる曲でも、その曲を好きでなければ、何度も繰り返す理由を作りにくいものです。
反対に、原曲全体は難しくても、イントロの数音やサビのコードだけなら、初心者でも取り組める場合があります。最初は「一曲弾ける」を目標にするより、次のような小さなゴールを選びましょう。
- イントロの印象的なフレーズを数秒鳴らす
- サビで使うコードを二つだけ切り替える
- 原曲を流し、自分が弾ける一か所だけ参加する
- 難しい音を省いた形で、ゆっくり最後まで進む
曲を簡単にすることは、正しくない演奏を覚えることではありません。今できる形で音楽へ入り、あとから音や技術を足していくための第一段階です。
最初の曲を選ぶ前に、何を弾きたいか決める
同じ「ギターで曲を弾く」でも、エレキのリフと弾き語りの伴奏では、簡単さの基準が違います。
| 弾きたいこと | 最初に見るポイント | 最初は避けたい要素 |
|---|---|---|
| 短いギターリフ | 音数が少ない、手の移動が小さい、ゆっくりでも曲だと分かる | 速い連続音、大きなポジション移動、複雑なチョーキング |
| コード伴奏 | コード数が少ない、切り替えがゆっくり、同じ進行が繰り返される | 素早いコードチェンジ、難しい押さえ方、複雑なストローク |
| メロディ | 一本の弦でも弾ける、音の間隔に余裕がある | 弦を頻繁に移る、装飾音が多い、音域が広い |
| 原曲に合わせる | 一部分だけでも参加できる、テンポを落とせる | 最初から一曲すべてを原曲どおりに再現する |
まずは、好きな曲の中で自分が耳で追いかけている音を探します。
歌の後ろで鳴るコードを弾きたいのか、イントロのギターを鳴らしたいのか。ここが決まれば、「初心者向けの曲」という広い候補から、自分に合う練習へ絞れます。
エレキギター初心者は、短いリフから始めやすい
リフとは、曲の中で繰り返される印象的なフレーズのことです。
短いリフには、少ない音だけで曲らしさを感じられるものがあります。コードを六本の弦で同時に鳴らすより、一本ずつ狙って弾く方が、最初は左右の手の動きを分けて考えやすいでしょう。
初心者が弾きやすいリフの条件
最初のリフを選ぶときは、次の条件を確認します。
- 5〜15秒ほどで一区切りになる
- 使う音が少なく、同じ形が繰り返される
- 左手が指板の広い範囲を移動しない
- 原曲より遅く弾いてもフレーズだと分かる
- 最初はスライドやチョーキングを省いても成立する
楽譜を見ただけで判断できないときは、演奏動画の再生速度を落としてみましょう。ゆっくりにしても音の順番を追えそうなら、最初の候補になります。
短いリフから試しやすい曲の例
以下は、曲全体が簡単という意味ではなく、印象的な一部分を小さく切り出しやすい例です。原曲の奏法を完全に再現する前に、まず音の順番だけをゆっくり確かめます。
| 曲 | 最初に試す部分 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| Deep Purple「Smoke on the Water」 | イントロの音の動き | 原曲の響きを再現する弾き方は後回しにし、一音ずつでもよい |
| The White Stripes「Seven Nation Army」 | 繰り返されるメインフレーズ | 原曲の音色づくりより、音の順番と休符を先に覚える |
| Arctic Monkeys「Do I Wanna Know?」 | 冒頭のリフの一部分 | 細かなニュアンスを省き、短く区切って練習する |
| Nirvana「Smells Like Teen Spirit」 | 冒頭のコードの動き | 形は覚えやすくても、原曲のリズムと不要な音を止める動きは難しい |
| MONGOL800「小さな恋のうた」 | サビなどのコード移動 | 原曲は速いため、テンポを大きく落として形だけを確認する |
有名な初心者向け曲でも、原曲どおりに弾けば難しいことがあります。「おすすめに載っていたのに弾けない」と感じても、自分に才能がないわけではありません。
どの部分を、どの速さで、どこまで再現するかが違えば、難易度も変わります。
コード伴奏は、コード数より切り替え方を見る
アコギの弾き語りや、歌に合わせた伴奏をしたい場合は、使われているコードの数だけで曲を選ばないことが大切です。
三つのコードだけでも切り替えが速ければ難しく、五つのコードがあっても同じ進行をゆっくり繰り返す曲なら取り組みやすい場合があります。
コード伴奏で確認したい4つの条件
1. 同じコード進行が繰り返されるか
曲のセクションごとに新しいコードが次々と出るより、同じ並びを繰り返す曲の方が、手の動きを覚えやすくなります。
2. コードを切り替える間隔に余裕があるか
一小節の間に何度もコードが変わる曲は、左手の移動が忙しくなります。最初は、一つの形をしばらく保てる部分を選びましょう。
3. 難しいコードを簡単な形へ置き換えられるか
すべての弦を一本の指で押さえる「バレーコード」が含まれていても、最初は一部の弦だけを使う簡単な形へ置き換えられる場合があります。
ただし、置き換え方によって曲の響きは変わります。コード譜や初心者向けの解説を確認し、まず伴奏を止めずに進められる形を選びましょう。
4. 右手のリズムを単純にできるか
原曲のストロークを最初から再現する必要はありません。まずは一定の間隔で下向きに弾くだけでも、コードの流れを確かめられます。
左手の切り替えに慣れてから、上下の動きやアクセントを加えます。
コード伴奏で試しやすい曲の考え方
「チェリー」や「マリーゴールド」など、初心者向けとしてよく紹介される曲にも、初めてでは押さえにくいコードや忙しい切り替えが含まれることがあります。
その場合は、曲を候補から外す前に、次の方法を試します。
- まずサビだけにする
- 難しいコードを簡単な押さえ方へ変える
- 原曲より遅いテンポにする
- 右手は一定の下向きの動きだけにする
- 歌わず、コードの切り替えだけに集中する
弾き語りは、ギターと歌を同時に扱うため、コードだけを弾くより難しくなります。最初は音源や誰かの歌に合わせて伴奏し、手の動きが安定してから歌を重ねても構いません。
「簡単そう」だけで選ぶとつまずきやすい曲の特徴
初心者向けの曲を選んだのに難しく感じるときは、次の要素が隠れていないか確認してみましょう。
テンポが速い
使う音やコードが少なくても、速い曲では考える前に次の動きへ移らなければなりません。
まずは再生速度を落とし、正しい順番で動ける速さから始めます。原曲に追いつくことは、音を覚えたあとの別の目標です。
同じように聞こえて、毎回少しずつ違う
繰り返しに聞こえるフレーズでも、最後だけ音が変わる、二回目だけリズムが違うことがあります。
最初は最も基本となる一回分だけを覚え、変化する部分は後から足します。
音数は少ないが、表現が難しい
チョーキング、ビブラート、スライド、ミュートなどは、少ない音でも原曲らしさを左右します。
最初は普通に押さえて弾き、音の順番とリズムを覚えます。原曲のニュアンスは、フレーズが止まらず進むようになってから練習できます。
ギターが複数本重なっている
バンドの曲では、左右のスピーカーで別のギターが鳴っていたり、録音で複数のパートが重ねられていたりします。
聞こえる音をすべて一人で再現しようとせず、自分が担当したい一本のパートを選びましょう。
好きな曲が難しいときは、5段階で小さくする
弾きたい曲が初心者向けでなくても、すぐに諦める必要はありません。次の順番で、今弾ける大きさまで小さくします。
1. 一曲から一部分へ
最初はイントロ、サビ、ギターリフなど、最も弾きたい場所を一つ選びます。
2. 一部分から5〜15秒へ
長いフレーズを、一息で聞き取れる程度まで短くします。数音だけでも構いません。
3. 原曲の速さから離れる
音の順番を考えながら動ける速さまで落とします。テンポを上げるのは、同じ動きを繰り返せるようになってからです。
4. 装飾を外す
スライド、チョーキング、細かなリズム、コードの一部などを一度外し、曲の骨格だけを鳴らします。
5. 一つずつ原曲へ戻す
短い部分が安定したら、音を増やす、速さを上げる、前後をつなげるという順番で広げます。
この方法なら、難しい曲を「いつか弾く曲」として保留するだけでなく、始めた日から一部分へ触れられます。
楽譜や動画は、初心者向けの同じアレンジを一つ選ぶ
同じ曲でも、コード伴奏、単音メロディ、原曲のギターパートなど、複数の譜面や動画があります。
検索結果で見つけた教材を次々と切り替えると、押さえる場所や弾き方が違い、どれを基準にすればよいか分からなくなることがあります。
最初は、次の条件を満たす教材を一つ選びましょう。
- 自分が弾きたいパートと一致している
- 初心者向けに速さや押さえ方が説明されている
- 手元と音を同時に確認できる
- 曲を短い単位に分けている
- 自分のギターの種類に合っている
一つのアレンジで短い部分を鳴らせてから、別の譜面や原曲の奏法と比べる方が混乱しにくくなります。
最初の練習は15分でもできる
最初から長時間の練習計画を立てなくても、短いフレーズなら次の流れで試せます。
- ギターの音を合わせる
- 弾きたい5〜15秒を一度聞く
- 最初の一音を探す
- 二音、三音とゆっくりつなぐ
- 最後に曲を流し、入れる場所だけ一緒に鳴らす
一回で最後まで進まなくても問題ありません。次にギターを持ったとき、前回の二音から始められれば練習は続いています。
音が出ない原因が分からないときは、何度も強く押さえる前に、指の位置、ギターの状態、アンプの設定を確認しましょう。独学で判断しにくければ、経験者や楽器店、初心者向けの体験で一度だけ見てもらう方法もあります。
まとめ:最初の1曲は、もう一度鳴らしたい音で選ぼう
ギター初心者の最初の練習曲に、全員共通の正解はありません。
エレキギターなら、音数が少なく、短く区切れるリフから始めやすいでしょう。コード伴奏なら、コードの数だけでなく、切り替える間隔と同じ進行の繰り返しを確認します。
好きな曲が難しい場合も、5〜15秒へ区切り、速さを落とし、装飾を外せば、最初の練習に変えられることがあります。
曲全体を簡単に弾けるかではなく、その中に「自分でも鳴らしてみたい音」があるかを基準に選んでください。その数秒をもう一度弾きたいと思えたら、次の練習へ進む理由になります。

