ギター初心者は独学でも弾ける?挫折しにくい始め方と練習の順番
ギター初心者は独学でも始められる?独学に向く人・つまずきやすい点と、最初の2週間で取り組む練習の順番を、完全未経験者向けに解説します。

「ギターを始めたいけれど、教室に通わず独学でも弾けるようになるのだろうか」
動画やアプリが充実している今なら、一人で始める方法はたくさんあります。その一方で、「何から練習すればいいか分からない」「動画を見ても自分が合っているのか不安」と、最初の数日で手が止まってしまう人も少なくありません。
結論からいうと、ギターは独学でも始められます。けれど、最初から一人で全部を理解しようとしないことが、続けるためには大切です。
独学で目指すべき最初のゴールは、難しい曲を完璧に弾くことではありません。ギターを正しい音に合わせて、自分の手で短いフレーズを鳴らし、「もう一度弾いてみたい」と思えることです。
この記事では、完全未経験者が独学で始めるときの練習の順番と、誰かに聞いた方が早い場面を整理します。
結論:独学はできる。ただし「小さな一曲」を先に決めよう
独学が続きにくい理由は、才能や根性の問題ではありません。最初に覚えることが多すぎるからです。
コード、スケール、楽譜、指のトレーニング、機材、音楽理論。調べ始めると、どれも大切に見えます。しかし全部を同時に始めると、弾く時間より情報を探す時間の方が長くなります。
最初は、好きな曲のイントロや、一本の弦で弾ける短いフレーズをひとつ選びましょう。短くても、曲の一部を自分で鳴らせると、練習に戻る理由ができます。
独学では「何を知らないか」を自分で見つける必要があります。だからこそ、最初の目標を小さく絞ることが大切です。
独学が向いている人・つまずきやすい人
独学が向くかどうかは、器用さよりも、今の生活にどんな始め方が合うかで決まります。
| 独学が合いやすい人 | 最初に誰かと弾く時間が合いやすい人 |
|---|---|
| 自分のペースで短時間ずつ練習したい | そもそもギターの持ち方や音の出し方が分からない |
| 好きな曲や弾いてみたいフレーズがある | どんな音・どんなギターが好きかを実際に確かめたい |
| 調べながら試すことを楽しめる | 動画を見ても、自分の動きが合っているか不安になる |
| 家で音を出せる、またはヘッドホンで練習できる | 一人だと練習を始めるきっかけを作りにくい |
どちらが正しいということではありません。
最初だけ触り方を教わり、その後は家で独学する方法もあります。逆に、独学で始めてから、壁にぶつかったときだけ相談する方法もあります。
大切なのは、「独学で続ける」と決めたからといって、一人で抱え込まないことです。
独学を始める前に用意するもの
エレキギターなら、最低限次のものがあれば練習を始められます。
- ギター
- 音を出すためのアンプ、またはヘッドホンで使える練習環境
- チューナー
- ピック
- ギターとアンプをつなぐシールド
最初からたくさんのエフェクターや高価な周辺機器を揃える必要はありません。まず必要なのは、弦を正しい音に合わせて、無理なく音を出せる環境です。
まだギターを持っていない人は、買う前に一度借りて試す方法もあります。楽器を持っていなくても参加できる条件や、当日に確認したいことは、関連記事「ギターを持っていなくても教室に行ける?手ぶらで始める方法」で詳しく解説しています。
初心者セットを検討している場合は、付属品の数だけで決めず、本体の弾きやすさと自宅で音を出す方法を確認しましょう。迷ったときは「ギター初心者セットは買うべき?後悔しないための選び方」も参考にしてください。
最初の2週間は、この順番で練習する
独学の最初の2週間は、毎日長く練習することより、短い時間でもギターに触れる習慣を作る方が大切です。
1〜3日目:構える・チューニングする・一本鳴らす
最初に覚えるのは、次の3つだけで十分です。
- 座った状態でギターを安定して構える
- ピックを持って弦を一本ずつ鳴らす
- チューナーを見ながら6本の弦を合わせる
チューニングは、弦を決められた音に合わせる作業です。音がずれたままだと、正しい位置を押さえてもきれいに聞こえません。
最初はチューニングだけで時間がかかっても大丈夫です。毎回少しずつ触るうちに、機械の見方やペグの回し方が分かってきます。
この段階では、速く弾くことも、コードを覚えることも必要ありません。アンプから音が出る、弦ごとに音が違う、と感じられれば最初の目標は達成です。
4〜7日目:一本の弦で弾けるフレーズを選ぶ
次は、一本または二本の弦だけで弾ける短いフレーズを選びます。
好きな曲の印象的なイントロ、メロディの一部、簡単なリフなど、10〜20秒ほどの長さで構いません。大切なのは「練習問題」ではなく、自分が音にしたいものを選ぶことです。
弾き方を検索するときは、「曲名 ギター 初心者 TAB」「曲名 ギター イントロ 簡単」のように、目的を絞ると見つけやすくなります。
一度に最後まで弾こうとせず、まずは一音ずつ押さえる場所を確認しましょう。ゆっくりでも、音がつながる瞬間があると、譜面や数字が実際の音楽に変わります。
8〜10日目:少ない回数で、同じ動きを繰り返す
指が動かないと感じるときほど、長時間続けて何十回も弾く必要はありません。
弾けない部分を二音か三音に分け、ゆっくり5回だけ弾いてみましょう。きれいに鳴った回数より、どこで音が詰まるか、どの指が遅れるかを観察することが大切です。
少ない回数で区切ると、できなかった感覚だけを残さずに終えられます。時間を空けてもう一度弾いたとき、指が少し動きやすくなっていることもあります。
痛みが強くなるほど続けるのは避けましょう。弦を押さえた指先が慣れるまで多少の違和感はありますが、手首や肩に痛みが出る場合は、持ち方や姿勢を見直した方がよいことがあります。
11〜14日目:原曲と一緒に、短い部分だけ弾く
フレーズが少し形になったら、原曲を流して、その部分だけ一緒に弾いてみましょう。
最初から原曲と同じ速さで弾けなくても問題ありません。音源の再生速度を落とせるアプリや動画を使い、ついていける速さで試してください。
ここでの目標は、正確さを採点することではありません。好きだった曲の中に自分の音が混ざる感覚を味わうことです。
独学を続けるために最も役立つのは、「弾かなければならない」よりも、「あの部分をもう一度鳴らしたい」という気持ちです。
練習時間は、毎日15分でも大丈夫
初心者のうちは、長時間練習できる日を待つより、15分だけでもギターに触れる方が続きやすくなります。
例えば、次のように時間を分けると、何をすればよいか迷いません。
- 3分:チューニング
- 5分:前日に弾いた短いフレーズ
- 5分:弾きにくい二音か三音だけをゆっくり練習
- 2分:原曲を流して、できるところまで一緒に弾く
毎日できなくても問題ありません。週に数回でも、次にギターを持ったときに「前回の続き」が分かる状態を作れれば十分です。
練習記録を細かくつけるより、スマートフォンで10秒だけ動画を撮るのもおすすめです。数日後に見返すと、自分では気づかなかった小さな変化が分かります。
独学で止まりやすい4つの場面と対処法
音がきれいに鳴らない
弦を押さえる位置がフレットから離れすぎていたり、指が隣の弦に触れていたりすると、音が詰まりやすくなります。
まずは力を強く入れる前に、フレットのすぐ手前を押さえてみましょう。それでも鳴りにくい場合は、ギターの弦の高さや状態が影響していることもあります。自分の指が弱いと決めつけず、楽器の状態も確認してください。
動画と同じように手が動かない
動画は便利ですが、弾ける人の手の動きが速く見え、どこでつまずいているかを自分で判断しにくいことがあります。
そんなときは動画を止め、一音ずつ真似してみましょう。手元を真上や横から撮影すると、指の向きや手首の角度を比べやすくなります。
それでも分からないときは、五分でも実際に見てもらう方が早く解決することがあります。
何を練習すればいいか分からなくなる
スケール、コード、指のトレーニングのどれも大切ですが、今弾きたいフレーズにつながらない練習は、最初は後回しで構いません。
「この曲のここを弾くために、次に何が必要か」という順番で調べると、情報を増やしすぎずに済みます。目標の曲が一つもないときは、関連記事「ギター初心者は何から始める?まだ楽器を持っていない人の始め方」から、最初の一音を鳴らすところに戻ってみてください。
楽しくないまま、練習だけが残る
「毎日必ず一時間」のような決め方が、最初から必要なわけではありません。
出したい音や弾きたい曲が見つからないと、練習は作業になりやすいものです。弾ける曲を増やす前に、音色を変えてみる、好きな曲に合わせて一本の弦を鳴らす、違う形のギターを触ってみる、といった寄り道をしても大丈夫です。
私は、最初に買った初心者セットから思ったような音が出ず、原因も分からないまま一度ギターから離れました。だからこそ、できないことを増やしていくより先に、「この音をもっと鳴らしたい」と思える体験を作る方が大事だと考えています。
独学の前後に、誰かと一度音を鳴らす選択
独学を選ぶことと、誰かに頼ることは矛盾しません。
たとえば最初に一度だけ、ギターの持ち方、チューニング、アンプのつなぎ方を実際に確認してから、家では自分のペースで練習する方法があります。逆に、独学で始めて、音が出ない・練習の順番が分からないと感じたときだけ相談する方法もあります。
京都のGUITAR ONEは、完全未経験の人が、ギターを持っていなくてもスタジオで音を鳴らしてみるための60分のセッションです。ギターと必要な機材を使いながら、短いフレーズや好きな音に触れ、次に独学で続けるのか、またセッションに来るのかを自分で選べます。
上達のために必ずどこかへ通う必要はありません。けれど、一人で迷う時間を減らし、弾く楽しさを確かめるために、誰かと音を出す時間を使う選択もあります。
まとめ:独学の最初のゴールは「また弾きたい」を作ること
ギターは独学でも始められます。
最初からコードや理論をすべて覚えようとせず、まずはチューニングをして、好きな曲の短いフレーズをひとつ鳴らしてみましょう。毎日15分でも、前回の続きができる状態を作ると、独学は続けやすくなります。
音がきれいに鳴らない、動画の通りに動けない、何をすればよいか分からない。そんなときは、やり方を少し変えたり、誰かに見てもらったりして大丈夫です。
一人で始めるか、最初に誰かと音を出すかは、途中で変えられます。自分が「また弾きたい」と思える始め方を選んでください。

