ギターのコードが押さえられない初心者へ|音が鳴らない原因と練習順
ギターのコードを押さえても音が鳴らない、隣の弦に触れてしまう初心者へ。力を増やす前に確認したい指の位置、角度、姿勢、楽器の状態と、一音ずつコードを組み立てる練習順を解説します。

「コード図どおりに指を置いたはずなのに、音が詰まる。強く押さえると指が痛くなり、次のコードへも移れない」
ギターを始めたばかりの頃は、複数の指を同時に置くだけでも難しいものです。さらに、一本の指が隣の弦へ少し触れるだけで、その弦の音は止まります。コード全体を一度に鳴らそうとすると、どこで音が消えているのか分からなくなりがちです。
結論からいうと、コードが鳴らないときは、手全体の力を増やす前に、弦を一本ずつ鳴らして原因を探します。 指の位置、角度、鳴らす弦の範囲、ギターの状態を分けて確認すれば、「自分にはコードが押さえられない」とまとめずに直せます。
この記事では、完全初心者を基準に、音が鳴らない主な原因と、コードを一音ずつ組み立てる練習順を解説します。Fコードのような難しい形で止まったときの考え方も紹介します。
結論:コード全体ではなく、鳴らない弦を一本ずつ探そう
コードを押さえて一度に弾くと、「何となく濁っている」ことは分かっても、どの指を動かせばよいかまでは分かりません。
まず、押さえた状態のまま、太い6弦から細い1弦までを一本ずつゆっくり鳴らします。コードによっては鳴らさない弦もあるため、コード図の「×」も確認してください。
音の状態を、次のように分けます。
| 音の状態 | 起きている可能性 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| ポコッと詰まり、音程が出ない | 押さえる指や別の指が弦の振動を止めている | 指先の角度と、隣の弦への接触 |
| ビリビリ、ジリジリと鳴る | フレットから遠い、力が足りない、弦や調整に問題がある | 押さえる位置をフレットの近くへ移す |
| 一本だけ鳴らない | その弦を押さえる指の位置か、隣の指が原因 | 鳴らない弦の両側にある指 |
| すべての弦に強い力が必要 | 手の力み、姿勢、弦高などが影響している | 一音だけでも軽く鳴るか |
| 指を追加すると、先に鳴っていた音が消える | 新しく置いた指が寝ているか、最初の指がずれている | 指を置く順番と手首の位置 |
| 開放弦まで正しく鳴らない | 鳴らす弦の間違い、チューニング、楽器の状態 | 指をすべて離した音 |
「もっと握る」だけでは、隣の弦へ触れている問題は直りません。一本ずつ確認すれば、力、位置、角度のどれを変えるべきかが見えてきます。
ギターのコードが押さえられない主な原因
フレットから離れた場所を押さえている
弦は、鳴らしたいフレットの金属部分の少し手前を押さえると、比較的少ない力で音を出せます。
フレットとフレットの中央付近を押さえると、弦を金属部分へ届かせるために余分な力が必要です。反対に、金属の真上へ指を置くと、音が詰まることがあります。
コード図は「何フレットを押さえるか」を示しますが、そのフレット内の細かな位置までは分かりません。指を数ミリずつ動かし、軽い力でも音が鳴る場所を探しましょう。
指が寝て、隣の弦へ触れている
たとえばCコードで、押さえている指の腹が隣の開放弦へ触れると、その弦は鳴りません。
爪が指板へ先に当たっていないか確認し、指先で弦を押さえるように角度を変えます。ただし、「指を垂直に立てる」ことだけを意識して手首を大きく曲げる必要はありません。ギターの高さやネックの角度も動かし、無理なく指先を当てられる位置を探します。
音が出ないたびに、手全体へ力を入れている
コードを一つの形として握り込むと、親指、人差し指、肩まで力み、指を細かく動かしにくくなります。
まず一本の弦で、音が鳴る最小限の力を探してください。音が鳴ったあとも強く押し続ける必要はありません。コードにしたときだけ強い力が必要なら、筋力だけでなく、指同士の位置や姿勢を見直します。
押さえる弦と、鳴らす弦を混同している
コード図では、押さえない弦にも二種類あります。
- 「○」は、指で押さえずに鳴らす開放弦
- 「×」は、そのコードでは鳴らさない弦
すべての弦を弾くコードばかりではありません。形が合っていても、「×」の弦まで鳴らすと濁って聞こえることがあります。指の位置と同時に、右手がどの弦から弾くかも確認します。
ギターのチューニングや調整に問題がある
指の形が合っていても、チューニングがずれていればコードは濁ります。練習前に、6本の弦を一本ずつチューナーで合わせましょう。
また、弦と指板の距離である弦高が高すぎると、押さえるために大きな力が必要です。古い弦、ネックの状態、特定のフレットだけで起きるビビりなど、奏法以外が原因の場合もあります。
初心者だから鳴らないと決めつけず、一本の弦を正しい位置で押さえても強い力が必要なら、楽器店や経験者にギターの状態を見てもらいましょう。
コードを一音ずつ組み立てる7つの練習手順
最初から形を素早く作ることより、どの指がどの音を止めているか自分で確かめられることが大切です。
1. チューニングする
コードの練習前に、開放弦の音を合わせます。音がずれたままでは、押さえ方が原因なのか、チューニングが原因なのかを分けられません。
2. コード図の弦、フレット、指番号を見る
6弦と1弦の向きを取り違えていないか、フレットの数え方が合っているか、「○」と「×」の弦はどれかを確認します。
初めは図を暗記しなくて構いません。指を置く前に、一つずつ声に出したり、指板を指さしたりすると間違いを見つけやすくなります。
3. 指を一本だけ置いて、その弦を鳴らす
最初の指をフレットの少し手前へ置き、その弦だけを鳴らします。音が詰まる場合は、強く押す前に位置を前後へ少し動かします。
4. 隣の開放弦も鳴らす
押さえた弦が鳴っていても、指の腹が隣の弦へ触れていることがあります。左右の弦も一本ずつ鳴らし、必要な開放弦が止まっていないか確認します。
5. 指を一本ずつ追加する
二本目を置いたら、すべての弦をもう一度確認します。先ほど鳴っていた音が消えたら、新しく置いた指の角度か、最初の指のずれを見直します。
三本目も同じです。一度に完成させず、「どの指を加えたときに音が消えたか」を残します。
6. 鳴らす範囲だけをゆっくり弾く
必要な弦が一本ずつ鳴ったら、コード図に合わせて右手の範囲を決め、ゆっくり一度だけ弾きます。
強く弾くほど正しく確認できるわけではありません。最初は軽く鳴らし、音が重なっても各弦の輪郭が残っているか聞きます。
7. 一度手を離し、同じ順番で作り直す
押さえたまま形を整えられても、毎回その形を作れるとは限りません。
一度手を完全に離し、一本目、二本目、三本目と同じ順番で置き直します。速さは後から上げられます。まず、再現できる置き方を見つけましょう。
コードチェンジは、二つの形を同時に練習しない
コードを単独で鳴らせるようになっても、曲の中で切り替えると形が崩れることがあります。
最初は、次の順番で練習します。
- 一つ目のコードを作り、一度鳴らす
- 指を離し、同じコードをもう一度作る
- 二つ目のコードも単独で作り直せるようにする
- 共通して使う指や、最初に置く指を決める
- 音を鳴らさず、二つの形の移動だけを繰り返す
- ゆっくり四拍ずつ鳴らして往復する
毎回すべての指を同じ速さで動かそうとすると、どこから置けばよいか分からなくなります。最初に着地させる指を一つ決め、残りを順番に加える方法でも構いません。
切り替えが間に合わないときは、原曲の速さに合わせず、コードを鳴らす間隔を長くします。音が止まっても、正しい形を作り直せれば練習は進んでいます。
Fコードは、最初から6本すべてを鳴らさなくていい
Fコードの代表的な形では、人差し指で複数の弦を同時に押さえるセーハを使います。始めたばかりの段階で、ほかのコードと同じように鳴らないのは珍しくありません。
Fコードで止まったら、力任せに6本を押さえ続ける前に、次の選択肢があります。
- まず人差し指が担当する弦だけを一本ずつ確認する
- 高い音側の3本や4本だけを使う省略形を選ぶ
- セーハしないコードへ一時的に置き換える
- Fコードが出てくる直前と直後だけを分けて練習する
- Fを含まない短いフレーズで、曲を鳴らす楽しさを残す
省略形は、できないことをごまかす形ではありません。曲の中で必要な音を残し、今の段階で演奏を続けるための選択です。
最初の練習曲は、難しいコードを克服できるかだけで決めなくて構いません。初心者向けの練習曲を選ぶ基準では、好きな曲を短く、簡単な形へ変える方法を紹介しています。
指が痛いときは、コードを完成させるまで続けない
音が鳴らないと、同じ形を強く押さえ続けてしまいがちです。しかし、痛みを我慢することは、正しい形を覚える条件ではありません。
指先が少し敏感になった段階でも、痛みが強くなる前に区切ります。鋭い痛み、しびれ、腫れ、関節や手首の痛みがある場合は、その場で練習を中止してください。
痛む場所ごとの判断や、休んだあとの再開方法は、ギター初心者の指が痛いときの確認方法で詳しく解説しています。
痛みがなくても、肩が上がる、呼吸を止める、親指と人差し指でネックを強く挟み続ける状態なら、一度手を離しましょう。コードを押さえた時間ではなく、無理なく同じ形を作り直せることを目標にします。
一人で原因が分からないときの確認方法
自分の視点からは、指が隣の弦へ触れているか、手首がどれほど曲がっているかを確認しにくいことがあります。
スマートフォンをネックの横へ置き、コードを作るところを数秒だけ撮影してみましょう。次の点を見返します。
- 指がフレットから離れていないか
- 指の腹が隣の弦へ触れていないか
- 指を追加するたびに、ギターが身体から離れていないか
- 音を鳴らす瞬間に肩や手首へ力が入っていないか
- 右手が「×」の弦まで弾いていないか
それでも原因を分けられなければ、経験者、楽器店、教室などで一度だけ見てもらう方法があります。自分の手元とギターの状態を同時に確認してもらうと、練習量を増やすべきか、押さえ方や調整を変えるべきかを判断しやすくなります。
独学での練習順そのものに迷っている場合は、ギター初心者の最初の2週間の進め方も参考にしてください。
まとめ:強く握る前に、鳴らない一本を見つけよう
ギターのコードが押さえられないとき、最初に増やすのは力や練習時間ではありません。
次の順番で確認します。
- チューニングとコード図を確認する
- 指を一本だけ置き、フレットの少し手前で音を鳴らす
- 隣の開放弦へ触れていないか確かめる
- 指を一本ずつ追加し、音が消えた場所を探す
- 必要な弦だけをゆっくり鳴らす
- 手を離し、同じ形を作り直す
- 軽い力でも鳴らない場合は、ギターの状態も見てもらう
Fコードのような難しい形も、最初から6本すべてを鳴らす必要はありません。省略形や短いフレーズを使い、曲を鳴らす体験を残しながら少しずつ広げられます。
コードが一度きれいに鳴ることより、どの弦がなぜ鳴らないかを自分で確かめられることが、次の練習につながります。まずは一つのコードを選び、一本の弦から音を確認してみてください。

