ギターは楽譜が読めなくても弾ける?初心者が最初に覚える見方
ギターを始めるのに五線譜は必要?楽譜が読めない初心者へ、TAB譜・コードダイアグラム・動画の違いと、最初の1曲で覚えるべき最小限の見方を解説します。

「ギターを始めてみたいけれど、学校の音楽で楽譜が読めなかった。先に勉強しないと弾けないのだろうか」
五線譜に並ぶ音符を見ると、ギターへ触る前に音名や記号を覚えなければならないように感じるかもしれません。
結論からいうと、五線譜が読めなくても、ギターは始められます。 ギターには、押さえる弦とフレットを数字で示すTAB譜(タブ譜)や、コードの形を図で示すコードダイアグラムがあります。動画を見ながら、短いフレーズをまねする方法もあります。
ただし、何も読まなくてよいという意味ではありません。最初から楽譜のすべてを覚える代わりに、今弾きたい部分に必要な表記だけを一つずつ覚えると、音を鳴らす時間を先に作れます。
この記事では、完全未経験者を基準に、ギターで使う主な譜面の違いと、最初の一曲で覚える範囲を整理します。
結論:五線譜は後からでもよい。最初は弾く場所と順番が分かれば始められる
ギターを始める前に、音符の名前、音の長さ、調号、音楽理論を一通り勉強する必要はありません。
最初の目標を「好きな曲の短い部分を鳴らすこと」にするなら、まず必要なのは次の情報です。
- どの弦を使うか
- どの位置を押さえるか
- どの順番で鳴らすか
- どのくらいの速さと間隔で弾くか
押さえる場所はTAB譜やコードダイアグラムで確認できます。音の順番や間隔は、譜面に加えて原曲や演奏動画を聞くと捉えやすくなります。
一方、五線譜を読めると、音の高さや長さを楽器にかかわらず共有できます。将来、初めて見る譜面から演奏する、人と細かく音を確認する、音楽の仕組みを深く学ぶときには役立ちます。
「読めなくても始められる」と「ずっと覚える必要がない」は別の話です。今は演奏を先に始め、必要になった記号を後から増やしても構いません。
ギター初心者が見る譜面は主に3種類
「楽譜」と呼ばれるものは一種類ではありません。教材や曲によって、複数の表記が組み合わされています。
| 種類 | 主に分かること | 最初に向く場面 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| TAB譜 | 弾く弦と押さえるフレット | リフ、メロディ、ギターパート | 数字だけではリズムが十分に分からない譜面もある |
| コード譜・コードダイアグラム | コード名と押さえる形 | 弾き語り、コード伴奏 | 右手のリズムは別に確認することが多い |
| 五線譜 | 音の高さと長さ、休む位置 | メロディ、読譜、他の楽器との共有 | ギター上の押さえる場所が一つに決まらないことがある |
どれが優れているかではなく、何を弾きたいかで使い分けます。
エレキギターでイントロのリフを弾きたいならTAB譜、アコギで歌の伴奏をしたいならコード譜が入り口になりやすいでしょう。教材によっては、五線譜とTAB譜が上下に並び、音の長さと押さえる場所を同時に示しています。
TAB譜は「ギターのどこを押さえるか」を数字で示す
TAB譜は、ギターの弦を横線で表し、その上に押さえるフレットの番号を書いた譜面です。
一般的な6弦ギターのTAB譜では、六本の横線が六本の弦に対応します。上の線が細い1弦、下の線が太い6弦です。ギターを構えたときの見た目と上下が反対に感じやすいため、最初はここだけ注意してください。
線の上にある数字は、基本的に次のように読みます。
0:どこも押さえずに弾く開放弦1:1フレットを押さえる3:3フレットを押さえる- 数字が横に並ぶ:左から順番に弾く
- 数字が縦に重なる:複数の弦を同時に鳴らす
これだけでも、一本の弦で弾く短いフレーズは追い始められます。
曲が進むと、スライド、ハンマリング、チョーキング、休符などを示す記号も出てきます。最初から一覧を暗記する必要はありません。練習する数秒に登場した記号だけ、その都度意味を確認しましょう。
TAB譜だけではリズムが分かりにくいことがある
TAB譜は押さえる場所を直接確認しやすい反面、掲載形式によっては、音を伸ばす長さや休む位置が簡略化されています。
数字の順番は合っているのに曲らしく聞こえないときは、押さえる位置ではなくリズムが違うのかもしれません。原曲や手本の音を聞き、次の点も確認します。
- どの音を長く伸ばしているか
- 音と音の間で、どこを休んでいるか
- 同じ数字でも、どこを強く弾いているか
- 譜面が原曲と同じアレンジか
最初は「見る」だけでなく「聞く」を組み合わせる方が、数字と音がつながりやすくなります。
コードダイアグラムは「手の形」を図で示す
コードとは、複数の音を重ねた響きです。歌詞の上などに書かれた C、G、Am といった記号をコードネームと呼びます。
そのコードをギターでどう押さえるか、指板を図にして示したものがコードダイアグラムです。一般的には、黒い点が押さえる場所、白い丸が開放弦、バツ印が鳴らさない弦を表します。教材によって指番号の書き方などは異なるため、最初に凡例も確認しましょう。
コード伴奏を始めるなら、すべてのコードを覚える必要はありません。弾きたい曲の短い部分に登場する二つか三つの形から始められます。
ただし、コードダイアグラムだけでは、右手をいつ動かすか、どのくらい音を伸ばすかまでは分からない場合があります。手本の音源や動画を使い、最初は一定の間隔で下向きに弾くなど、右手を簡単な形にして練習します。
動画だけでも始められるが、見失いやすい点がある
動画には、手の動きと音を同時に確認できる利点があります。譜面へ抵抗がある人も、再生速度を落とし、数秒ずつ止めながらまねできます。
一方、動画だけでは、次のような場面で迷いやすくなります。
- 指が隠れ、押さえている弦が見えない
- 左右が反転して見える
- 前回どこまで進んだか記録しにくい
- 同じ曲でも、動画ごとにアレンジが異なる
- 見ながらは弾けても、動画を止めると順番を忘れる
動画とTAB譜、または動画とコード図を一つずつ組み合わせると、音・動き・押さえる場所を照らし合わせられます。
検索結果で教材を次々と切り替えるより、最初は同じアレンジを説明している一つの教材に絞る方が混乱しにくいでしょう。
楽譜が読めない初心者が最初に覚える5つ
最初の練習では、次の五つが分かれば十分です。
1. 弦の番号
ギターは、最も細い弦が1弦、最も太い弦が6弦です。構えた状態では、身体に近い上側に太い6弦、床に近い下側に細い1弦があります。
2. フレットの番号
ネック上の金属の仕切りをフレットと呼びます。ヘッドに近い側から1フレット、2フレットと数えます。数字が示す金属部分そのものではなく、その少し手前を押さえます。
3. 開放弦の意味
TAB譜の 0 は、左手で弦を押さえずに鳴らす指示です。最初のフレーズでは、開放弦と少ないフレットだけを使うものもあります。
4. 左から右へ進むこと
譜面は基本的に左から右へ読みます。最初は一小節を全部覚えようとせず、二音か三音ずつ区切って指を動かします。
5. 音を出す前のチューニング
押さえる場所が合っていても、弦の音程がずれていると手本と同じ音にはなりません。練習の前にチューナーを使い、六本の弦を合わせます。
五つを一度に暗記するのではなく、実際にギターを持ち、譜面の数字と手元を往復しながら確認しましょう。
最初の15分は、譜面の勉強ではなく一つのフレーズに使う
楽譜が読めない状態から始めるなら、最初の練習を次のように小さくします。
- 弾いてみたい曲から、5〜15秒の部分を一つ選ぶ
- 同じアレンジのTAB譜かコード図と、手本の音を用意する
- 最初の一音について、弦とフレットを確認する
- 一音が出たら、次の一音を足す
- 二音か三音を、止まりながらゆっくりつなぐ
- 最後に手本を流し、入れる場所だけ一緒に鳴らす
曲全体を読めなくても、二音を自分の手でつなげられれば、譜面はすでに演奏の道具として使えています。
最初の曲をどう切り取るか迷う場合は、初心者向けの練習曲を選ぶ基準も参考にしてください。
独学で進めるなら、譜面の勉強だけを続けるより、最初の2週間の練習順の中で必要な表記を覚える方が、音と知識を結びつけやすくなります。
五線譜を学ぶと役立つのはどんなとき?
最初の一音に五線譜は必須ではありませんが、弾きたいことが増えると役立つ場面もあります。
- 音の長さや休符を譜面から正確に読みたい
- メロディを別の位置でも弾けるようになりたい
- バンドやセッションで、音の名前やリズムを共有したい
- コードやスケールの仕組みを理解したい
- 初めて見る譜面を、その場で演奏したい
必要になったときも、最初から読譜の教本をすべて終える必要はありません。
たとえば、今練習している曲に8分音符が出てきたら、その長さを知る。休符で音を止める場所が分からなければ、その休符を覚える。このように、演奏中の疑問から学ぶ範囲を広げられます。
楽譜が読めないまま体験や教室へ行っても大丈夫?
完全初心者を対象にした体験や教室なら、五線譜、TAB譜、コードを知らない状態でも参加できます。
予約時に「楽譜は読めず、ギターにも触れたことがない」と伝えておくと、弦やフレットの説明から始めてもらいやすくなります。参加前に確認したいのは、読譜力より次の条件です。
- 完全未経験者を対象にしているか
- 譜面の説明だけでなく、実際に音を鳴らす時間があるか
- 好きな曲や音楽を伝えられるか
- ギターや必要な機材を借りられるか
- 分からない表記を、その場で質問できるか
当日の一般的な進み方は、ギター教室の体験レッスンで何をするかで詳しく紹介しています。
まとめ:読めるようになってからではなく、鳴らしながら覚えよう
ギターは、五線譜が読めなくても始められます。
短いリフやメロディならTAB譜、コード伴奏ならコードダイアグラムを使うと、押さえる場所を具体的に確認できます。手本の音や動画を組み合わせれば、数字だけでは分かりにくいリズムや手の動きも補えます。
最初に覚えるのは、弦とフレットの番号、開放弦、譜面の進む方向、チューニングです。練習する数秒に出てこない記号まで、先に暗記する必要はありません。
楽譜を読めるようになってからギターへ触るのではなく、一音を鳴らし、その音に必要な表記を一つ覚える。その順番でも、音楽は始められます。

